桜通り歯科コラム
噛み合わせ最前線
歯の感覚について
歯は敏感です。今までも説明したように、それはミクロン単位です。
例えば、口の中では紙一枚、髪の毛一本噛んでも感じますよね?
自覚的には、20~30ミクロンくらいを感じるでしょうが、脳の方では1ミクロンでも感知すると言われています。
これに関して、基本的には歯科医師がこのレベルで診断や治療をすればいいのです。
しかし患者側からかかわるとすると、以前説明した許容範囲にも関係しますが、各個人の生理的許容範囲内の変化なら問題はないのですが、それを1ミクロンでも外れると、問題が起こると考えてもいいでしょう。その時に1ミクロンの誤差を感じるか? 自覚的には明確には感じないでしょう。おそらく、“なんか変? 噛んだ感じが違う、どこで噛んでいいか分からない。とか、食事中に顎が疲れる”など、間接的に変化を感じることが多いと思います。ですから、“自分の判断でなんか変だけど、まあいいか”というのが危険です。明らかにおかしいな、と感じる時には問題は大きくなっている可能性が高いです。
噛み合わせから見たら、1ミリの誤差も1ミクロンの誤差も、生理的許容範囲を超えていたら、どちらも異常な咬合です。問題の出方をみると、1ミリの誤差なら物理的に大きくずれたりするような、問題がおこりますが、1ミクロンなら物理的な変化は出づらいでしょう。感覚的(神経系)の症状が、例えば、頭痛、肩や首のこり、めまいなどが出やすい、あるいは目立って感じるかもしれません(歯の誤差が感じられないので)。
ですから、実際的には、自覚的にはっきりと感じる前に、“なんか変だな?”と感じた時にチェックしておいた方が良いでしょうし、何も感じないうちに定期的にチェックしておくのがベストでしょう。
歯は、物理的構造よりも感覚が優位です(両方重要ですが)。それは歯がそれくらい敏感だからということも言えます。そして、物理的な量にかかわらず、神経系を通して全身のあらゆる部位、機能に影響が出る可能性があります。