頚椎ヘルニアと噛み合わせ
頚椎椎間板ヘルニア 首のヘルニアは腰のヘルニアと違い、骨の変形から生じることが多く、この継時的に変化していく変形をカイロプラクティックなどではサブラクセーションと呼び、歯科治療上でも身体への影響、変調を診る上で重要です。
重症例になると、脊髄を圧迫する「頚椎症性脊髄症」と呼ばれる疾患になることがあります。
椎体の間に椎間板があり、クッションの役割をして頭の重みや首の可動を支えます。椎体、椎間板のすぐ後ろには脊髄があり、そこから脊髄神経が伸びて身体の様々な機能に関わっています。
上記のような状態を世間一般では頚椎ヘルニアと呼び頭や首、肩、背中、腕から指先まで痛みや、しびれ、が現われ、体調不良に陥ります。
噛み合わせが頚椎ヘルニアには大きく関わっています。なぜ歯が?噛み合わせなんか関係ないと思われるかもしれませんが、関係は大ありです。
頚椎ヘルニアはスポーツの際に後ろを振り返ったり、車の運転中に後ろを振り向いたり、デスクワークで常に首の緊張が強いられる状態が続くと頚椎の負担が大きくなり起こるそうです。また重労働やラグビーやアメフトなどで頸部を圧迫することが原因になることもあると文献には書いてありました。これは外傷のことですね。外傷、先天的な奇形、成長段階で予防の不可能な変形などは別として、後ろを振り返ったくらいで起こる頚椎ヘルニアはその前段階として、椎骨にズレが起こっていたり、何かギリギリの状態で、振り返ったことが発症のきっかけになったのだと思います。要は椎骨のズレ、ねじれ、かかる負担が問題です。
椎骨のズレはなぜ起こるか、姿勢が悪いからという人もいるでしょう。でもそれも細かく言えば、椎骨についている筋肉の過緊張が引き起こしていると言えます。
噛み合わせが悪いと、頭頸部の筋肉の過緊張が起こります。他でもなんども書いていますが頭蓋骨はそれにより歪みます。首は、ずれ、ねじれ、傾きます。頭部の重みを支えるクッションの役割をはたす椎間板には当然大きな負担がかかります。
2016.05.31
2016.06.27
今年、不調で来院され、週一回の噛み合わせの調整を複数回おこなった方のレントゲン写真です。左が初診時。右が不調が改善された時のレントゲン写真です。
何が変わっているかわかりますか? 首や頭の傾きや曲がり具合に改善はたしかに診られますが、一番の変化は頚椎の真ん中にポツポツと並んで見える棘突起の並びが、初診時はかなり右に湾曲して見えますが、右の写真の方は並びがまっすぐになってきています。これは頚椎のねじれがとれてきているということです。
要するに、噛み合わせはここまで影響するということがわかります。
大きく影響を受ける椎間板、脊髄、脊髄神経の神経根の状態は好転します。
当然頚椎ヘルニアの状態も好転します。
↓
左頭頸部、背中までしびれが出ている頚椎ヘルニアの患者さんです。(添付の本人了承は得ています)頸部筋の緊張緩和により可動域が拡がっていることがわかります。
頚椎ヘルニアと噛み合わせの関係は大きいです。手術に踏み切る前に一度噛み合わせのチェックにいらしていただければ幸いです。