噛み合わせとパフォーマンス-その4
4.アスリートの身体操作と歪み、噛み合わせとの関係。
(イチロー選手、王氏、大谷選手、田中選手、中村選手、宇佐美選手、ワード選手)
偉大な二人のバッターを例にあげます。
本来、詳細に正確に分析するには最低限表情や肉や皮のように錯覚を起こすことのないレントゲン写真によって骨レベルで、そしてその正面像のものを用いなければいけません。
そして一方向だけでなく、特に頚椎の状態を知るには側方向のものも必要です。
しかし、ここではそのようなものはありませんので、写真から読み取ろうと思います。
イチロー選手、王さんの顔には共通した歪みが存在します。目の高さが左目が低く、下顎の先端が若干左に入り、口角と目の距離、下顎の高さが右側より左側が短い。笑うと左側が引きつります。
これはわかりやすい例です。
二人とも食事の際は左側で噛むことが多いでしょう。噛み合わせは下顎が左にずれ込んでいて、左の奥歯に強い引っ掛かりが存在する場合が多いです。
そうなると左の咬筋が右側より強く働きますから顔は二人のように歪みます。
きっと足の爪先は左足のほうが大きく開くでしょう。
下顎が左にずれた状態で右に回旋運動することは難しいです。
自分の顎を極端に左にずらして右に回ろうとしてみたらよくわかります。回りにくいはずです。逆に左回旋はしやすいはずです。
偉大な二人にこの共通点があるように、あるバッターに同じ傾向が見られます。
大谷選手です。
二人と同じ顔の歪みを持ちます。こう書いてしまうとこの三人が特別のように思いますが
よいバッターにはだいたい同じ傾向が見られます。
三人は左構えですから、歪みから読み取るに、右回旋は不得意なので、単純に考えれば打つ方向に身体が回りにくいのでよくないことのようですが、身体が逆方向(左回旋)しやすいということは身体の右側に壁がつくりやすいのでバッターとしては踏み出す足の内側にしっかりと力が入り、身体が開きにくいので力を伝えやすい歪みといえます。
イチロー選手のバッティングフォームを見てもらえばわかりやすいかと思います。
いいことばかりではありません。注意点があります。
歯は経年的に磨耗していくものです。そして矯正治療でわかるように力がかかれば場所を動きます。
歳をとれば歯はすり減り噛み合わせは強くなります。左にばかり負荷のかかる噛み方をしていれば、一番力を受け続ける歯は他よりもダメージは大きく、磨耗も著しいでしょう。上下の歯は歪んだ方向にはまり込んで負担を強めていきます。
基本的に身体はアスリート用にはできていません。
どれだけの負荷にでも耐えれるものではなく、一般人の日常生活レベルでかかる負荷の中で健康は考えるものです。
以前格闘家にインプラント治療を施したことがあります。
毎日練習で身体に負担をかけて、顔面に打撃をうけて大丈夫かどうかを示した文献は世界中を探してもどこにもないでしょう。
そもそもそういうケースは想定内にないからです。
きっと不適切なので施術はしないほうが賢明ということが答えに相当するでしょう。
歯も、噛み合わせもアスリートの勝負し続ける日々のその負担に長年にわたり耐えられるようにはできていないはずです。
例を挙げているイチロー選手と大谷選手。食事は左でばかり噛まないほうがよいでしょう。うつぶせ寝、片肘をつくなど、体癖で下顎が左奥に押し込まれる習慣があれば非常に危険です。左奥歯の噛み合わせが強まれば下顎の左後ろ、左耳の後ろの後頭、首の左背面から肩、背中にかけて張りが強くなるでしょう。
右回旋運動がどんどんしずらくなるので、左バッターであればインコースの速い球には詰まることが増えるでしょう。歳を重ね反応が遅くなっているだけではなく、噛み合わせから回旋運動がしにくくなるわけです。
イチロー選手は今年好調です。
勝手な推測ですが好調の原因はイチロー選手はあまり回旋を使わない打ち方をしているように思うので、それが他の選手とは違う結果につながっているのかもしれません。
メンテナンスとしては頭蓋骨、頚椎の歪みのチェック、改善、右回旋がしやすいように咬筋、僧帽筋、胸鎖乳突筋、の緊張をほどくように噛み合わせの調整を入れ、場合によっては、回旋しやすいように、筋肉の緩和をもとめれる意図を盛り込んだマウスピースを作成するべきではないかと思います。
大谷選手は若いですから、バッターとして問題はないでしょう。筋肉の柔軟性もあるでしょうから噛み合わせや歪みからのこともたいした問題にしないでしょう。
しかしこの歪みが強まっていくならば、まちがいなくいずれ問題になります。
ピッチャーとしては現時点でずいぶんと問題があります。
田中選手を例に挙げると
田中選手の目は右目が下がり、口角と目の距離も右側の方が短く、下顎は右にずれています。笑うと右側が引きつります。
左回旋はしやすく、右回旋は苦手でしょう。きっと就寝時の身体の体勢も右に向きます。
右投げのピッチャーの場合良い投手にはこの傾向が強いです。なぜならば、バッターのところで説明したのと同じく、ピッチャーは投げる方向の前手と前肩ができるだけ開かず壁をつくらなければいけません。
身体が開くと手投げなり、身体に負担がかかる他、球の出どころがバッターに見やすくなってしまいます。疲労が溜まってくるとボールは外方向に抜けてくるでしょう。
大谷選手は田中選手と真逆の歪みを持っています。
160キロを超える球速を投げますが、憶測ですが田中選手と比較すると球の出どころは見やすいのではないでしょうか。
そして球が思うより右に抜けることが多いと思います。
疲れて力で抑えの効かない時、力んだ時にjこの状態が現れやすいでしょう。
そして、この噛み合わせが助長され、歪みが強まれば、バッターとしてはいいですが、ピッチャーとしては難しくなっていくのではないでしょうか。
噛み合わせの調整と、生活レベルの中での注意点を見つけて訂正し、長く驚異的な選手でいるために、調整をした上で歪みの影響が抜ききれなければ、意図を盛り込んだマウスピースを入れるべきだと思います。
他のスポーツでも同じことが言えます。
サッカーの中村俊輔選手と宇佐美選手を例に説明すると
中村俊輔選手は左目下がり、下顎が左にずれているので、左回旋が得意、右回旋が苦手。
なのでレフティーの中村選手には左足で蹴る時右半身にしっかりと壁をつくることができます。
宇佐美選手は右目下がり、下顎が右ずれ。歪み方が大きく、少なくともレントゲン写真で確認しないと正しくは言えませんが、下顎骨の変形を持っていそうです。右の犬歯の関係も確認はできませんでしたがよくなさそうです。
右回旋が得意で左回旋は苦手だと思います。
右足でのキックは身体の左に壁をつくりやすく得意です。
左足でのシュートも売っていますが、壁がつくりづらく身体が開きやすいので得意ではないはずです。加えて宇佐美選手はドリブラーですから、左サイドを駆け上がっていき、右にドリブルで入っていき、右足にボールを持ちシュートを打つのが歪みの理にかなっています。左方向にドリブルで相手を抜きに行くのは苦手なはずです。
この歪みが大きくなれば更にその傾向は強まると思います。
相手の守備も左に身体の面が向くように追い込んで守備をすれば、宇佐美選手に限っては本来持つ能力半減させることはできると思います。
とはいえまだ若く、筋肉に柔軟性もあり、トップアスリートなので関係なくやれているかもしれませんが、食事の際右側ばかりで噛まないように左側とバランスをとり、下顎の左側から力がかからないように、うつぶせ寝は絶対に禁忌、肩肘をつくなど体癖にも注意したほうが良いです。なにより噛み合わせの調整で頭蓋骨頚椎の歪みをとるように調整して左回旋しやすいように調整を施し、重心移動、回旋運動、効率の良い呼吸ができる要素を盛り込んだマウスピースをしてみてもよいのではないかと思います。
中村選手の歪みは宇佐美選手の逆なので、ドリブルするにも宇佐美選手と逆の方向への動きが得意ということになります。
中村選手も歪みを利用してプレーをしているタイプの選手だと思いますので、調子を崩す、パフォーマンスを落とすようなことがあれば、噛み合わせをチェックするべきです。
私は仲の良い格闘家の試合前に相手の分析を行うのですが、そこで歪みを見ます。
そうすると対戦相手のタックルの入る方向、投げを打つ方向、どのパンチが長く伸びて、どのキックが力強いかわかります。
ワードという格闘技の選手です。(身体に引いた線は歪みが見えやすいように引いただけのもので、正しい基準点はとっていません)この歪みをみれば右回旋が得意、左回旋が苦手。なので左ジャブ、左フックは伸びるが身体は開くので強くなく、右パンチは壁がつくられロックが強く威力があるでしょう。しかしこれだけの歪みなので距離の長い伸びるパンチは右からは打てません。ガードも右は下がりやすいでしょう。タックルは右側頭が傾くように入り、投げは左からの右回旋が得意です。
バレーボールなども個々のレシーブの得意、不得意な方向は写真を見ればだいたいわかります。サーブは不得意な方向に身体から離れていくように打てばミスを誘いやすいと思います。
全選手の真正面からの顔の歪みを見れば、得意不得意はだいたい読み取れます。完全に正確とはいいきれませんが。まずその分析をして動画で他のデーターを取って併せてみると面白い発見が出てきたりします。
私は格闘家の試合相手の分析はそうしておこなっています。